ホルモンが分泌されて恒常性を保っている、ホルモンのバランスを崩して・・・。
なんとなく耳にするホルモン。健康維持に欠かせないものだなと想像はつきますが、今一ホルモンが体内でどういった役割を担っているのかピンとこない。
そんな方、一緒に早速ホルモンを勉強して健康維持に役立てましょう!!
25mプールを人間の身体に例えると、分泌されるホルモンの量は、何とスプーン1杯程度。人間はプールより遥かに小さいので、分泌されるホルモンの量はごく微量とか。
そもそも【ホルモン】とは、脳や甲状腺、すい臓、卵巣、睾丸など、身体の様々な臓器に存在する「内分泌腺」というところで作られている物質。最近では内分泌腺以外にも脂肪細胞や腸管などからも【ホルモン】が分泌されていることが分かってきて、その数は発見されたものだけでも約100種類もあるようです。
↓これだけでもこんな数
(株)ヘルスクリックさんで分りやすい図がありましたのでおかりしました。これだけでもこんな数。
分泌された【ホルモン】は血液の流れに乗って全身を回り、標的臓器のレセプターと結合することで作用します。
ホルモンの研究でメディアでも有名な山王クリニック山王院長が分かりやすく女性ホルモンで例えています。
まず、脳下垂体から女性ホルモンを分泌させるための「性腺刺激ホルモン」が分泌され、それが卵巣に作用すると女性ホルモンが分泌されます。【ホルモン】とはこのように何段階かに分けて分泌されます。
この女性ホルモンは妊娠や出産などに大きく関わりますが、骨や筋肉を健康に保つためにも働いています。ホルモンが作用するにはレセプターと結合する必要がありますが、女性ホルモンの場合は卵巣や子宮だけでなく、骨や筋肉なども標的臓器になるそう。
ほかの【ホルモン】も同様に、分泌されたあと全身の様々なところで働き、血圧や血糖値を安定に保つばかりか、自律神経や免疫、精神安定、脂肪燃焼、アンチエイジングまで【ホルモン】が関わっています。ごく微量でしかない【ホルモン】がこんなに多くのことに関係していることはとても興味深く、山王院長がホルモンを研究するきっかけにもなったそうです。
【ホルモン】多くても少なくてもNG。バランスが◎
【ホルモン】は生まれてから死ぬまで分泌され続けますが、年齢とともに分泌量が減少していきます。
女性の場合、更年期に入ると女性ホルモンの分泌量がぐっと下がって、閉経後では男性の方が女性ホルモンが多いこともわかっているようで驚きですね(汗)。急激に減少すると、ほてりやのぼせ、イライラ、無気力などになることが多く、これらは更年期症状と言われています。
若さや美しさを保つために、「いつまでも女性ホルモンを分泌しなきゃ」と思う人もいますが、いつまでも過剰に分泌されているのも実はよくありません。女性ホルモンに長くさらされていると乳がんや子宮がんの危険性が高まるからです。
ほかにもホルモンの過剰分泌から起こる病気があります。成長ホルモンは10代の時に一番多く分泌され、身長を伸ばしたり筋肉を増やしたりしますが、成人してからも過剰に分泌が続くと、手足が肥大したり、額や顎、鼻などが突出する「先端巨大症(アクロメガリー)」。甲状腺ホルモンの過剰分泌ではバセドウ病という病気が有名。
このように、ホルモンは多ければ多いほどいいものではなく、長く健康に生きるためには、適切な分泌が重要とのこと。
生活習慣病はホルモンが原因の場合も
高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病に比べると、ホルモンが原因で起こる病気の患者数はそこまで多いわけではありません。血液と比較しても、ホルモン自体が捉えどころがない物質なので、専門に扱っている病院や医師も少ないようです。
しかし、生活の中でも気をつけれることが沢山あります。先程挙げた生活習慣病でも、ホルモンの病気が隠れていることがあります。それを見逃さないことが大切!!
例えば、いくら降圧剤を飲んでもなかなか血圧が下がらない方は、血圧を上げるホルモンが過剰に分泌されている可能性があるそうです。コレステロールが高い人も甲状腺ホルモンの分泌が過剰になっている場合があったり。この場合、むくみや便秘、冷え、疲れやすいなどが症状もでるので、女性は更年期障害だと思って我慢してしまうことも。でも、実は更年期障害ではなく「ハシモト病」という甲状腺疾患の場合もあるとか。
主治医の先生が気づかないこともあるようなので、ちょっとした体の救急サインは見逃さないで、キャッチアップしてセルフメディケーション。必要な場合はホルモン検査を先生にお願いしたり、総合病院や内分泌内科など専門機関へ相談に行きましょう!!
こんな洋書までありました。
医者も知らないホルモン・バランス(中央アート出版社)