うちな~んちゅ(沖縄の人)が愛飲しているビタミンたっぷりのお味噌汁
それが「かちゅー湯」
たっぷりのカツオ節と味噌に、お湯を注ぐだけ。
かちゅー湯とは、お椀にカツオ節と味噌を入れ、お湯を注いで飲む沖縄の伝統食で、味噌汁のようなものです。味噌汁が鍋でだしを取り、具を入れて作るのに対し、かちゅー湯はお椀の中でだしを取り、カツオ節を具として食べます。
この、カツオ節の香りとうま味をそのまま楽しめる「かちゅー湯」は、カツオ節を愛する沖縄を代表するスープ。“かちゅー”とはつまり“カツオ”のこと。お椀いっぱいのカツオに味噌を加えお湯を注ぐだけという凄く簡単料理なのに、カツオ節や味噌に含まれるアミノ酸を摂取でき、体を芯から温めてくれるかちゅー湯は、地元沖縄では朝ごはんや風邪を引いたときや二日酔いの時に飲む人も多いそう。
“かちゅー湯”の基本的な作り方
●材料(1杯分)
カツオ節・・・・・5g
味噌・・・・・・・大さじ1 ※塩分控えめで味噌は少なめがオススメ
お湯・・・・・・・150~200ml
なお、カツオ節には薄削りと厚削りがあり、薄削りを使うとだしが出やすいので汁が美味しくなり、厚削りを使うと、カツオ節に旨味が残りやすいので、カツオ節を美味しく食べられます。お好みで使い分けましょう。カツオ節の量を増やしたり、みその種類を変えたり、ネギや生姜、ニンニク、梅干しなどを加えて、味や風味の違いを楽しむことも出来ちゃいます!!
さて、そんな、沖縄の智恵かちゅー湯を調べてみるとTVでも取り上げられていたり、かちゅー湯先生までいらしたり結構有名みたいです。
ビタミンB12、ナイアシン、鉄が豊富
栄養士の佐藤秀美先生は、沖縄では、料理にたくさんのカツオ節をつかいます。それも、だしを取る、少し振りかけるという使い方ではなく、たっぷり食べるのです。「かちゅー湯」は、その典型例だと言えるでしょう。
栄養成分の健康効果を期待してカツオ節を食べるなら、1日に5g以上摂る必要があるため、それまでカツオ節の栄養価について、あまり気にとめたことがなかったようです。だしの材料や、おひたしなどの料理に添えて使うでは、ごく僅かですからね。
ところが、沖縄で、1杯のかちゅー湯に、カツオ節を10gは入れているのを見て、考えが変わったとか。
カツオ節5gで作ったときのかちゅー湯の栄養成分を調べたところ、かちゅー湯が高タンパク、低カロリーで、ビタミン、ミネラルが豊富な優れた食品であることが判明。かちゅー湯1杯で、たんぱく質は1食分の必要量の4割程度、ビタミンB12はほぼ10割、ナイアシンは約7割、鉄は約3割摂ることが出来ます。
たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚などの体組織をはじめ、健康を守る免疫細胞、体内で活躍する酵素などの原料になる重要な栄養素です。体力の増進、免疫活性の向上、老化の進行抑制などに役立ちます。
ビタミンB12
動脈硬化の予防に役立ちます。かつて、動脈硬化の原因としてコレステロールが注目されていましたが、最近では、コレステロールよりもむしろホモシステインという物質に注目が集まっています。ビタミンB12には、ホモシステインが血液中で増えるのを抑制する効果があります。ビタミンB12が円滑に働くためには、ビタミンB6と葉酸が必要ですが、かちゅー湯にはこれらも含まれていて、申し分なし。
ナイアシン
ビタミンB群の仲間で、皮膚や粘膜の健康を維持し、血行促進に役立ちます。
鉄
血液中の赤血球を作るのに必要な栄養素で、鉄欠乏性貧血の予防・改善、冷え性の改善などに役立ちます。
加えて、高血圧の予防・改善に役立つカリウムやカツオ節ペプチドなども多く含まれています。
そんな健康度100%のお手軽かちゅー湯ですが、身体が温まるので、風邪のひき始めや、ひいた時に飲むのもお勧め、夏バテなどで食欲がないときの栄養補給にも適しています。特に、たんぱく質の摂取が不足しがちな高齢者には最適。
夜、小腹がすいた時に飲むのもGood。2日酔いの予防・改善にも役立つはず。たんぱく質をたっぷり取れば、アルコールを分解する酵素がスムーズに取り出されるそうです。ただし、アレルギーのある方や、痛風などでプリン体の摂取を控えている方は注意が必要。またカツオ節には塩分が含まれているので、塩分の取り過ぎに気を使っている方は、みその量を控えめにして作って下さいね!